フォンデアライエン欧州委員会委員長、ウクライナ国会で演説　「あなた方は欧州のために戦っている」

欧州委員会が演説全文をウェブサイトに掲載した。

フォンデアライエン氏は、「この荘厳なホールに立つと、私の心は感情で一杯になる。あなた方の勇気と忍耐に対する称賛。ロシアがあなた方の愛する国に与えた全ての苦しみへの悲しみ。あなた方が存亡をかけた戦争を戦いながらも、この議会が前に進めてきた信じがたい立法作業に対する敬意。しかし、全ての感情の中で最も強いものは、感謝である。欧州全体が、あなた方に対して、あなた方がこの残酷な戦争が始まって以来行ってきた全てのことについて深く感謝している。あなた方は、自分の自由、自分の民主主義、自分の未来のためだけではなく、私たちのものためにも戦っているのだ。あなた方は、欧州のために戦っている。それが私たちが痛感していることだ。親愛なる議員の方々よ、親愛なるウクライナの人々よ、ドゥージェ・ジャークユ（編集注：ここのみ『どうもありがとう！』を意味するウクライナ語）」と発言した。

また同氏は、フランスのアーティスト、クリスチャン・ギュミー（Ｃ２１５）が描いた、捕虜となりロシア軍に銃殺されたウクライナ兵アレクサンドル・マツィエフスキーの壁画について言及した。同氏は、マツィエフスキー氏が銃殺される直前に最期の言葉「ウクライナに栄光あれ！」と述べたことを喚起した上で、この壁画は、ウクライナのと他の欧州の人々の間の深い繋がりを思い出すものとなり、また勇敢さと献身のシンボルとなったと発言した。

同氏は、「アレクサンドルが殺人者を見ていた時、彼の顔には恐怖がなかった。彼は、尊厳を抱いて、彼らの前にただ立ち、二つのシンプルな言葉を口にしたのだ。自由の言葉。誇りの言葉。ロシアはこの戦争に決して勝てないことを意味する言葉を。以降、その言葉は、あの壁に、そして世界の自由な人々全員の心に永遠に刻まれている。ウクライナに栄光あれ！」と発言した。

さらに同氏は、マツィエフスキー氏が国民的英雄となったのは、全てのウクライナ人が彼らの精神を共有して、ロシアの残虐行為に立ち向かっているからだと指摘した。そして、同氏は、そのような勇気を前に、欧州の他の地の人々がすべきことはただ１つ、必要な限りウクライナとともに立ち続けることだと強調した。

そして同氏は、「欧州は、ウクライナから多くのことを学んだ。これは、あなた方が十分によく聞いていないメッセージだ。ウクライナの人々は、欧州の人々から学ぶ必要がない。あなた方自身が欧州人なのだ。この戦争のはじめから、ウクライナは非常に多くのことを証明してきた。あなた方は、民主主義の力を示した。あなた方は、自らの創意工夫の力を示した。そして、あなた方は、欧州の価値の力を示し続けている」と発言した。

I’m honoured to address the house of Ukrainian democracy.

You are fighting not only for your freedom, your democracy and your future, but for ours too. You are fighting for Europe. https://t.co/erXMietZXb

— Ursula von der Leyen (@vonderleyen) November 4, 2023

なお、４日、フォンデアライエン欧州委員長がキーウを訪問していた。

写真：ヤロスラウ・ジェレズニャク最高会議議員（テレグラム）