ショルツ独首相、来年もウクライナへの軍事支援を止めないと確約 ただし長射程ミサイルは除外
キーウを訪れたショルツ独首相がゼレンシキー宇大統領との記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ショルツ氏は、「12月中に6基目の『アイリスティーSLM』、『パトリオット』の追加発射台、対空戦車『ゲパルト』を引き渡す。そして、来年、2025年、私たちは、防空、大砲、偵察無人機、榴弾砲、6台の武装したヘリ『シーキング』を引き続き提供する」と述べた上で、ロシアのプーチン氏に対して、「私たちは息が長い。私たちは、必要な限りウクライナの側にいる」と呼びかけた。
同氏はまた、ドイツはウクライナに対して、多く話されている防空システム以外にも、火砲システムや多連装ロケットシステム、様々な戦車といった「非常に協力で危険な兵器」も提供してきたと述べた。その際同氏は、5基の「アイリスティー」、3基の「パトリオット」、50両以上の「ゲパルト」、ミサイル、弾薬、部品がすでに引き渡されていると指摘した。
そして同氏は、「ドイツは(編集注:ウクライナの)6個旅団を武装した。それは多い」とし、ドイツは総額280億ユーロの兵器の引き渡しの実現を実施、約束してきたと発言した。
その上で同氏は、来年も武器供給は止まらないし、これまで同様に強力なものとなると約束した。
同時に同氏は、複数種の兵器に関しては、供与の正しさ、適切さを検討しているとしつつ、「どれだけ遠くまで攻撃できるか」、ドイツ兵による「コンロールを必要とするか」といったことが話されていると伝えた(編集注:長射程ミサイル「タウルス」に関することと思われる)。
その他同氏は、ウクライナの人々の「頭越し」に和平が決められるようなことはないと明言した。そして同氏は、自分にとってそれは非常に原則的なことだとし、友人、同盟者、「確信のない人々」を前にして、その立場を防衛していくと約束した。同氏は、平和は欧州連合(EU)に向かう主権ある民主的な国家にとって公正なものでなければならないとし、そのことについて米国の現政権とも将来の大統領とも話したと伝えた。
また同氏は、プーチンがウクライナ人を凍えさせ、国の経済と生産を止めるというシニカルな計画を実現することはできないと明言した。そして同氏は、ウクライナのエネルギーシステムの迅速な復旧のための必要な機材を提供すると伝えた。
プーチン氏との最近の電話会談について、ショルツ氏は、プーチン氏とは一貫した言語で話さなければならず、自らの立場と意図を非常に明確に表明せねばならないと強調した。そして同氏は、ウクライナへの全面侵攻直前にプーチン氏と会談したことを喚起し、その際自身は、プーチン氏は侵攻を自発的に決めたのではなく、侵攻のずっと前、数年前には採択していたのだという印象を抱いたと発言した。そして、同氏は、その後2022年12月にもプーチン氏と話したことを喚起し、それら全ての対話の中で、自身はドイツ側ははっきりと「ウクライナは、EUの一部になり、強力な軍を持つ、独立した民主的な国家を建設する権利がある」と強調してきたと発言した。
その上で同氏は、「私にとって、ロシアが戦争を終わらせ、軍を撤退させねばならないことははっきりしている。そして、それは私が彼に非常に明確に述べてきた…。また私にとっては、彼に、私たちがウクライナ支援を止めることはないと述べることが重要である…。そして、プーチンは、いずれ孤独となるウクライナを相手に事を構えられると期待すべきではない。ウクライナは耐え抜く。私は訪問時にそのことを確信したし、私たちはそこに貢献する」と発言した。
同氏はまた、ウクライナのEUへの道筋における包括的な支援を改めて確約した。
さらに同氏は、今回のウクライナの負傷兵とのやりとりを忘れることは決してないと発言した。
なお、2日、ドイツのショルツ首相がキーウを訪問した。