ブリンケン米国務長官、ラヴロフ露外相による大量の偽情報を非難
ブリンケン国務長官がマルタで開催されたOSCE閣僚理事会本会議の際に発言した。
ブリンケン氏は、ラヴロフ氏の発言後に、「私たちが同僚のラヴロフ氏の話を聞いたが、彼は同じように私たちの話を聞くという敬意を示さず、会場を去ってしまい、私は残念に思う。当然、私たちのロシアの同僚は聞き手を大変技巧的に偽情報の津波へと沈み込ませていた。私は、彼の述べたことを全てを詳細に分析することはしないが、しかし、2点だけ指摘する」と発言した。
とりわけブリンケン氏は、ラヴロフ氏が述べた「安全保障の不可分性」について指摘し、「それは正しい。しかし、それは、ロシアにとっては有益だが、ウクライナにとっては有益ではない、一方的な道にはなり得ないし、なってはならない。自らを騙すのを止め、彼や他の誰かが私たちを騙すこともないようにしようではないか。これ(編集注:ロシアの対ウクライナ侵略戦争)は、ロシアの安全保障の話ではないし、一度もそのことであったことはなかった。それは、プーチンによるウクライナを地図上から消し去るという帝国的プロジェクトの話である」と発言した。
その文脈で、ブリンケン氏は、プーチン氏自身の過去のウクライナ関連の発言について言及した。同氏は、まず2008年にプーチン氏がNATO首脳会談の際に「ウクライナは国家ではない」と述べ、その後2014年にクリミアを違法「併合」した後に「ロシア人とウクライナ人は1つの民」だと発言し、さらに2021年ロシアの対ウクライナ全面侵攻前に、もう一度、個別のウクライナ人、ネイションが存在するという考えを否定、さらにはその数か月後に改めて、ウクライナを「人工的な国」だと形容したことを喚起した。
そしてブリンケン氏は、「このことについての話なのだ。ずっとこうだったのだ。そして、だからこそ、私たちはそれに断固として対抗せねばならないのだ」と強調した。
その他同氏は、ラヴロフ氏による、個々の国が自らの選択を行使する主権についての発言について、「それこそ、話されていることだ。それはウクライナとウクライナの人々による自らの将来を選択する主権であり、モスクワにおいてウクライナの背後でその選択が行われないようにすることだ」と強調した。