【ウクライナ機撃墜事件】ウクライナ、イラン報告書に関しICAOに批判的主張を提出
19日、ウクライナ外務省がフェイスブック・アカウントにて発表した。
発表には、「アンドリー・シェウチェンコICAOウクライナ代表は、同機関理事会にて、その文書(編集注:イランの報告書)は、シカゴ条約(編集注:国際民間航空条約(1944年))の要件に合致しないと強調した」と書かれている。
外務省は、その報告書には、2つの重要な問題、すなわち、「事件の原因」と「将来にこのような事件をどのように回避するか」への回答がないと指摘した。
シェウチェンコ代表は、「それは、航空コミュニティが必要としている協力の精神ではない。どうしたら本件後、イラン上空に航空機をもう一度送れるというのだろうか? これら全てをどうやってICAOの原則と合致させるというのだろうか? これが民間航空を今より安全にするというのだろうか?」と発言した。
外務省は、ウクライナは犠牲者の名の下、将来の飛行の安全のため、今後も真実と責任を追及していくと強調した。
なお、これに先立ち、3月17日、ドミトロー・クレーバ外相がイランが発表した報告書は2020年1月のウクライナ国際航空撃墜事件の真の原因を隠蔽するものだと発言していた。
イランは同日、ウクライナ機撃墜の最終報告書を公表している。同報告書には、同機撃墜の決定は、同機を敵対象物と認めた防空指揮官のミスが原因だと書かれていた。
PS752便撃墜事件とは、2020年1月8日、イラン首都テヘランのイマーム・ホメイニ空港を離陸した後、キーウ(キエフ)に隣接するボリスピリ空港へ向かっていたウクライナ国際航空のボーイング737が撃墜された事件のこと。同機には、乗客・乗員計176名が搭乗。ウクライナ国民11名を含む、その全員が死亡している。
イランは、1月11日にウクライナ航空機を誤射で撃墜したことを認める発表を行なっている。