欧州委員会、勧告とともにウクライナの今後の課題リストを公開
欧州委員会が公開した「ウクライナのEU加盟申請に関する欧州委員会見解」に書かれている。
欧州委員会は、欧州理事会に対して「これらの行為が行われることを理解した上で、加盟候補国地位を付与することを勧告する」と伝えている。
具体的に、今後ウクライナによって「行われる行為」として列挙されているのは以下の課題となっている。
・ウクライナ憲法裁判所の選考手続き法の採択と履行。ベニス委員会勧告に従った公正性・専門性評価を基本とした事前選考プロセスを含む。
・高等司法評議会メンバーの候補の倫理評議会による公正性審査と、ウクライナ高等裁判官選考委員会創設のための候補選択の終了。
・汚職、特にハイレベル人物の汚職、との闘いを、信頼に値する積極的かつ効果的な捜査と裁判判決を通じて更に強化。新しい特別汚職対策検察(SAP)長につき、選考が認められた人物の宣誓を通じた任命プロセスの終了と、新しい国家汚職対策局(NABU)局長の選考と任命プロセスの終了。
・資金洗浄対策法を金融活動作業部会(FATF)の基準に合致させる。法執行部門全体をウクライナの安全保障環境の一部としての改革の包括的戦略的計画を採択する。
・オリガルヒ(大富豪)の経済、政治、社会生活への過度の影響を制限するための反オリガルヒ法の施行。それは、今後のベニス委員会の関連法への結論を考慮した上で法的によく考えられた手段で行われなければならない。
・ウクライナ国内法をEUの音声映像メディアサービス指令に合致させ、独立した報道機関規制団体に権限を与える、報道機関法の採択を通じて、既得権益の影響を克服。
・ベニス委員会の勧告に従い、現在準備されている民族マイノリティのための法基盤の改革の終了と迅速かつ効果的な履行メカニズムの採択。
また、欧州委員会は、これらの行動のウクライナによる履行進展をフォローし、2022年末までに国の詳細な評価とともに報告していくと伝えた。
文書には、「加盟プロセスは、確立された基準と条件に基づいたものであり続けている。それによりプロセスに参加するいかなる国も自らの貢献をもとに前進することができるのである。しかし、それは、基本的条件が今後履行されなくなれば、EUへの道のステップが逆行する可能性もあることを意味している」と書かれている。
これに先立ち、欧州委員会は17日、ウクライナとモルドバに対してEU加盟候補国地位を付与することを勧告した。これを受けて、来週、欧州理事会が同地位を両国に付与するかどうかを決定する。