G7、声明発出 露によるウクライナ各地へのミサイル攻撃を「最も強い言葉で非難」
日本外務省が声明の仮訳を掲載した。
G7首脳は、市民に犠牲者を出したウクライナ各地への民間インフラや都市に対する最近のミサイル攻撃を喚起し、「我々は、これらの攻撃を最も強い言葉で非難し、無辜の市民に対する無差別な攻撃は戦争犯罪を構成することを想起する。我々は、プーチン大統領とその他の責任者の責任を追及していく」と強調した。
また、首脳たちは、ロシアによる、2014年のクリミアの違法「併合」(の試み)と、この度のウクライナ4州の違法「併合」の試みを断固として非難し、明白に拒絶すると表明した上で、「我々は、この違法な『併合』又はこれを正当化するためにロシアが利用する偽りの『住民投票』を決して認めない」ことを改めて強調した。
声明ではまた、他の全ての国に対しては、前述の国際法違反の拒絶を求め、またロシアに対しては、敵対攻撃の停止、ウクライナからの全ての部隊・軍事装備の撤退を要求した。
首脳たちは、ロシアに対してさらに制裁を科し続けることを表明した。
さらにG7首脳は、ロシアによる部分的動員実施や、核兵器使用のレトリックといったエスカレートを招く措置を非難した上で、「我々は、ロシアが化学兵器、生物兵器又は核兵器を使用するいかなる場合にも、深刻な結果を招くことを再確認する」と強調した。
ウクライナ南部にてロシアが占拠するザポリッジャ原子力発電所に関しては、G7首脳は、同原発でのロシアの活動と施設職員への圧力を非難し、その結果生じるいかなる事案に関してもロシアの責任を追及すると伝えた。
G7は、ウクライナの独立、領土一体性、主権に対する完全な支持を再確認した上で、ウクライナには、国際法に従い、「ロシアの侵略から自らを守るための、また、ウクライナが国際的に認められた国境内で自らの領土の完全な支配を取り戻すための正当な権利を有する」と表明した。
首脳たちは、ゼレンシキー大統領に対して、支援し続けることを表明したとし、「必要とされる限り」ウクライナと断固として共にあると強調した。また、冬へ向けた対ウクライナ支援も行うことが表明された。
加えて首脳たちは、ウクライナの軍事及び防衛装備に関する緊急の要求を満たすための取り組みを引き続き調整すると伝えた他、10月25日のウクライナ復興会議の成果への期待を表明した。
G7首脳は、ゼレンシキー大統領に「公正な平和」のための準備があることを歓迎した上で、その「公正な平和」には、「国連憲章による領土一体性及び主権の保護の尊重」「将来ウクライナが自らを防衛する能力の保証」「ロシアからの資金による手当の模索を含むウクライナの復興及び再建の確保」「戦争中に犯されたロシアの犯罪に対する責任の追及」といった要素が含まれるべきだと強調した。
なお、11日のG7首脳テレビ会議には、ゼレンシキー宇大統領も出席しており、G7首脳に対してウクライナへの防衛支援やエネルギー分野の追加対露制裁などについて要請を行っていた。