ウクライナ国会、クリミア脱占領・再統合政策に関する声明を採択
ジェレズニャク最高会議野党会派「声党」議員がテレグラム・チャンネルで最高会議議員320名の賛成で同決議が採択されたと報告した(過半数は226)。
最高会議ウェブサイトに登録された声明本文によれば、最高会議は、同採択により、ウクライナによる一時的被占領下クリミアの脱占領・再統合国政が、人の安全の保証、人権・基本的自由の保障のためのあらゆる必要な方策実施を優先課題とすることに基づいていることを表明している。
また、現在の戦争の終結と平和の回復の重要条件は、クリミアの脱占領を含む、国際的に認められたウクライナ国境内でのウクライナの領土一体性の回復と、ウクライナの国家主権の確保だと強調されている。その際、ロシアが始めた戦争の停止がウクライナが侵略国に領土面で妥協する形で行われることは、看過し得ないと指摘されている。
さらに、最高会議は、クリミア半島にロシア黒海艦隊が駐留することは、国家・地域・グローバルレベルの安全保障の観点から、不可能だと指摘し、クリミアのコントロール回復後には、ウクライナ軍やその他のウクライナの安全保障・国防戦力がクリミアに展開することになると説明した。
また、ウクライナはロシアの侵略と占領により侵害されたウクライナ国民の権利と自由の回復と確保のためにあらゆる方策を講じると表明した。また、政権は、クリミア住民の社会・文化面の再統合政策を実現していき、ウクライナのその他の地域との社会、情報、文化などの面での繋がりの発展を促進し、ウクライナ教育を統合し、独立メディアや市民団体の活動を回復し、クリミア・タタール人をはじめとする先住民の権利を保護していくと説明されている。
同時に最高会議は、犯罪者は全て責任を追求されるとし、平和と正義の回復のための前提条件は、ロシアの対ウクライナ武力侵略の組織と実行に関与した人物の訴追であると指摘した。他方で、占領政権の活動に参加しながら、重罪を犯していないウクライナ国民に関しては、自発的な捜査協力を条件に免罪される可能性があるとも伝えられている。
ウクライナがロシアにより受けた損害に関しては、ロシアを中心に賠償されると書かれている。
加えて最高会議は、一時的被占領期にクリミア自治共和国領へと違法に移住したロシア国民やその他の人物は、個別の決定の採択と、国際人道法の順守の下で、ウクライナ領から追放されていくと伝えた。
その他、最高会議は、クリミア・プラットフォームは、クリミアの脱占領とウクライナ領土一体性の回復の促進のためだけでなく、アゾフ・黒海地域全体の安全の保証のための場所でもあるべきだと指摘した。また、ウクライナは、同プラットフォーム参加者の拡大を促していくとも書かれている。
なお、23日、キーウでは、第3回クリミア・プラットフォーム首脳会議が開催されている。