ゼレンシキー宇大統領、林日本外相と二国間安全保証合意締結に向けた協議開始で合意
ゼレンシキー大統領がテレグラム・チャンネルで伝えた。
ゼレンシキー氏は、「ウクライナにて日本の林芳正外相を歓迎した。私たちは、G7宣言の発展で、安全の保証に関する二国間合意に関する協議の開始に合意した」と書き込んだ。
さらに同氏は、「私は、アジアにおいて日本が私たちの重要なパートナーであり続け、ウクライナを支え続けてくれていることにつき、日本に感謝している」と強調した。
また、ウクライナ大統領府広報室もまた、同会談につき公表した。
発表によれば、会談には、外相と共にキーウを訪問した、楽天、丸紅、川崎重工、アルム、つばめBHBといった日本の主要企業のトップも出席したという。
ゼレンシキー大統領は、ロシアの武力侵攻の被害を克服する上での日本の包括的支援につき謝意を伝えた。その際ゼレンシキー氏は、「私は、日本がロシアの全面侵攻開始から私たちの国に供与してくれた多大な人道・財政支援に感謝している。日本は、私たちが冬を乗り切るのを支援し、ロシアの攻撃で生じたウクライナの電力システムへの挑戦を克服するために甚大な努力をしてくれた」と発言した。
またゼレンシキー氏は、日本がG7議長国の期間に、ウクライナへの国際的サポートを動員する上で日本がリーダーシップを発揮したことを高く評価した。また、日本が議長国の際にウクライナ支援のためのG7首脳共同宣言が採択されたことの重要性も指摘した。同氏は、ウクライナは複数のパートナー国と安全の保証に関する二国間合意締結協議を始めており、日本との間でも同様の協議を始める準備があると伝えた。
林日本外相は、日本側もまた近々ウクライナとの安全の保証に関する二国間合意締結協議を開始する用意があると発表した。
その他、両者は、ウクライナによる和平案「平和の公式」の実際的実現や、「グローバル平和サミット」の準備の日本の参加について意見交換を行った。
また、ウクライナ復旧・復興における日本との連携の活性化にも注意が向けられた。
ゼレンシキー氏は、ウクライナ側は日本が年初に開催を予定しているウクライナ復興会議の準備における日本と活発に連携する準備があると強調した。その際同氏は、「私たちにとって、日本のビジネス界が会議に最大限加わることが重要だ」と強調した。
また同文脈において、同氏は、林外相と共に日本の強力な企業の関係者がキーウを訪れたことを高く評価すると伝えた。そして同氏は、「私たちは、ウクライナにて日本のビジネス代表者たちを喜びと共に歓迎する。それは非常に重要だ。なぜなら、私たちは、ウクライナの経済の復興とウクライナへの新しい投資誘致のために活発に活動しているからだ。私たちは、協力にオープンであり、アイデアと私たちの視点を共有する準備がある」と発言した。
会談時には、両者は、近い将来の政治的対話行事に関する意見の交換も行われた。
その他、日本外務省もウェブサイトにて、同会談につき公表した。
発表によれば、ゼレンシキー大統領と林外相の会談は約35分間だったという。
また、林外相は、7月のNATO首脳会合の機会にG7とウクライナで発出した「ウクライナ支援に関する共同宣言」に基づき、今般、日・ウクライナ間の個別の二国間文書を作成するための交渉を開始する準備が整ったことを伝達。これを受けて、両者は、二国間文書の交渉を開始することで一致した。林外相は、第一回協議をできるだけ早く開催すべく調整を進めていきたいと伝えた。
さらに林氏は、ゼレンシキー大統領が提案する「平和の公式(平和フォーミュラ)」につき、すでに2回にわたり国家安全保障補佐官級会合を開催するなどの取り組みが進められていることに敬意を評するとし、日本としても貢献を続けていきたいと伝えた。ゼレンシキー大統領は、本件に関する日本の支援につき謝意を伝えた。
その他林氏は、来年はじめに予定される「日・ウクライナ経済復興推進会議」も念頭に、官民をあげてウクライナの復旧・復興を支援していきたいと伝えた。ゼレンシキー大統領は、ウクライナの経済復興、雇用回復、避難民の帰還の観点からもいかなる種類の日本からの支援も歓迎したい、日本の官民の協力を期待すると発言した。
なお、9日、日本の林外相がウクライナの訪問を開始した。林氏は、これまでにキーウ州ブチャを訪問し、ロシア軍に殺された犠牲者の追悼を行った他、シュミハリ宇首相と会談している。
これに先立ち、8月29日、ウクライナのゼレンシキー大統領は、日本の岸田首相と電話会談を行い、ウクライナのための安全保証合意に向けた協議開始の必要性について協議を行なっていた。
※更新(9日17時34分):日本外務省発表を追加。