ウクライナ、ロシア侵略の根拠につきICJの裁判権を主張

ウクライナ、ロシア侵略の根拠につきICJの裁判権を主張

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ウクルインフォルム
19日、ハーグの国際司法裁判所(ICJ)にて、「集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約」(通称「ジェノサイド条約」)に基づいたジェノサイド容疑に関して、ウクライナがロシアの軍事行動停止などを求めて起こした訴訟の口頭弁論2日目が行われ、ウクライナ代表はICJに裁判権があることを主張した。

ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ウクライナ代表のコリネーヴィチ外務省特命大使は、口頭弁論の際、「ロシアは、ウクライナがジェノサイドを自国民に対して行っているという酷い嘘でもって、私の国に対して戦争を行っている。その嘘は、ロシアによる侵略と制圧の口実である。ロシアは、信頼できる証拠を一切提示していない。ロシアは、それを提示できない。ロシアは、実際のところジェノサイド条約をひっくり返してしまっているのだ。国際社会は、ジェノサイド条約を保護のために採択した。ロシアは、ジェノサイド条約を殲滅のために引用している」と発言した。

コリネーヴィチ氏はまた、ロシアは国際法を尊重していないとし、「ロシアにとって国際法は制限ではない。ロシアにとって、国際法は主権や人権への尊重を保障するものとしては存在していない。ロシアにとって、国際法は悪用のための手段である」と指摘した。

そして同氏は、ウクライナは、ロシアと異なり、国際法を尊重しているとし、「ウクライナは平和的手段での事件の解決を信じている。正にそのために、最大の脅威の瞬間に、ウクライナはこの裁判所に要請したのである。裁判所は、ジェノサイド条約に関連する事件に関して幅広い管轄権を有している。この事件とジェノサイド条約の間の関係は直接的である。ロシアは、ウクライナをジェノサイドで断罪した。ロシアはジェノサイド停止を目的に全面的侵攻を開始した。言い換えれば、ロシアは、ジェノサイド条約を悪用し、それに違反し、ジェノサイドの疑いを全面侵攻のための口実として利用したのだ。しかし、ロシアは法の外には存在しない。ロシアは責任を追及されねばならない」と発言した。

さらに同氏は、「ロシアは21世紀最大の国際法違反者である。そして、非常に重要なことは、その命題がウクライナ国民の口から聞かれるだけでなく、それが国際裁判所でも確認されることである。当然、それは、ロシア連邦が、現代の人権保護システムの基本となっている重要国際条約の1つを侵害したことを意味し、当然、ロシア連邦が賠償金を支払わなければならないこと、ロシア連邦がウクライナ領への犯罪的全面侵攻の正当化のために現代国際法を冒涜し、操作してきたことを意味することになる」と発言した。

同氏は、ロシアは2014年からウクライナ東部ドンバス地方で「ジェノサイド」が行われていたとするウクライナに対するでっちあげでの容疑を、2022年2月24日の対ウクライナ全面侵攻の根拠として利用してきたと強調した。

そして同氏は、この裁判は、ロシア連邦が自らの犯罪行為の正当化のために、ジェノサイド条約に違反し、ジェノサイド犯罪の概念を歪ませて、無意味なものにしていることに関するものだとし、「それこそがこの係争の対象である」と発言した。

その上で同氏は、ウクライナ側の現時点での課題は、ICJに同事件の内容面の公聴を行う管轄権があることを、法と事実の観点から示すことにあると説明した。

その他同氏は、ロシアによる国際法違反の事例を列挙した。同氏は、ICJが18か月前にロシアに対してウクライナにおける軍事作戦の即時停止を命令したことを喚起し、「しかし、ロシアは要求の履行に関心を抱かなかった。ロシアは速やかにICJの仮保全措置命令を無視すると発表した。ロシアはウクライナにて軍事行動を停止していない。今日までロシアは、でっちあげのジェノサイドの保全という名の下に、私たちの町や人に対してミサイルを放ち続けている。ロシアの不服従の結果は壊滅的なものである」と発言した上で、ロシアの電力インフラへの攻撃、カホウカ水力発電所の破壊の被害を喚起した。

さらに、同氏は、国際委員会がロシアによる多大な国際法違反、戦争犯罪、人道に対する罪を確立していると述べ、その例として、ザポリッジャ原子力発電所におけるロシアの軍事活動を指摘した。

加えて同氏は、ロシアによるウクライナ児童の強制追放を挙げ、現時点までに1万9474人の児童の違法な連れ去りが確認できており、その内4390人は孤児あるいは親権を剥奪された子だと伝えた。同氏は、この行為により、国際刑事裁判所(ICC)がプーチン露大統領の逮捕状を発布したことを喚起し、「ジェノサイド保全を口実に、ロシアは児童の故郷から強制連れ去りという手段で戦争犯罪を行っているのだ」と強調した。

同氏はまた、ロシアがウクライナ海洋港の封鎖により穀物出荷を妨げたり、穀物を破壊したりして、世界の食料不足事情を悪化させていることも指摘した。

口頭弁論初日となった19日には、ロシア代表者が弁論を行い、ウクライナ政権を「キーウ政権」と呼んだ上で、同政権がロシア語話者を迫害していると主張、またウクライナ政権をナチズムで断罪した。

さらに同氏は、ルハンシク・ドネツィク領収でウクライナ政権がジェノサイドを行い、あたかもウクライナが2014年にドンバス地方で戦争を始めたかのように主張した。


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