欧州委員会、ウクライナは7つの勧告中4つを履行と評価=報道
ニュースサイト「ラジオ・スヴォボーダ」が入手した欧州委員会の内部文書につき報じた。
履行済みとみなされている4つの勧告は、以下のとおり。
・ベニス委員会の勧告に従ったウクライナ憲法裁判所の選考手続きに関する法執行
・高等司法評議会メンバーの候補の公正性審査終了と高等裁判官選考委員会創設
・資金洗浄対策法を金融活動作業部会(FATF)の基準に合致させ、法執行部門全体の改革包括的戦略計画を採択
・メディア分野改革(EUの音声映像メディアサービス指令にウクライナ法を合致させる)
同時に、他の3つの基準は、さらなる履行に関する欧州委員会の勧告が付されている。
具体的には、汚職との闘いのさらなる強化は完全に終了していないとみなされている。欧州委員会は、この要件の一環で、新しい特別汚職対策検察(SAP)長と国家汚職対策局(NABU)局長が任命されることを想定していたという(編集注:元記事のママ。SAP長は2022年に、NABU局長は2023年に任命されている)。
さらに文書には、「ウクライナは、NABU人員増加法を採択し、汚職防止法から、国家汚職防止庁(NAPC)の調査済み資産の調査継続権限を制限している規範と、NAPCの申告者が公務に就く前に取得した資産の調査権限の制限を削除しなければならない」と書かれている。
また、オリガルヒ(大富豪)の過度な影響力の制限に関しては、「ウクライナは欧州の基準に従ったロビー法を採択すべき」と書かれている。
さらに欧州委員会は、ウクライナではベニス委員会の勧告に従った少数民族に関する法改正はまだ全てが実施されているわけではないと指摘した。
特に、国家語、メディア、教育に関する法改正によって、2023年6月から10月までの結論で言及されていた残りの指摘を実施する必要があると強調されている。
これに先立ち、フォンデアライエン欧州委員会委員長は4日、欧州委員会がウクライナに提示した7つの改革勧告における進展を指摘した上で、ウクライナにはまだ完了しなければならない改革があることを喚起していた。
昨年6月17日、欧州委員会は、ウクライナとモルドバに対してEU加盟候補国地位を付与することを勧告した。その際、欧州委員会は同時に、今後ウクライナにより行われるべき課題のリスト(勧告リスト)を公開していた。
今年10月24日、ゼレンシキー宇大統領は、同国はEU加盟交渉を正式に始めるために欧州委員会が出していた7つの勧告を最大限迅速に履行したと発言していた。
追記(9日15時24分):SAP長とNABU局長の任命に関する記述に注記。