EU、第13回対露制裁を採択
EU理事会がプレスリリースを発出した。
ボレルEU外務・安全保障担当上級代表は、「ウラジーミル・プーチンがウクライナに対する全面侵攻を開始してから、2年という悲しい節目を迎えようとしている中、EUは、ロシアに対する圧力を強めている。今日、私たちは、ロシアの軍事・防衛部門に対する制限措置をさらに強め、装備品を供給している第三国法人や、ウクライナの児童の違法な追放や軍事的再教育の責任者を対象とする。私たちは、ロシアの戦争機構を弱らせ、ウクライナが正当な自衛のための戦いに勝利し、自らの独立、領土一体性、主権を回復するのを支援するという決意で団結している」と伝えた。
今回の制裁は、主に軍事・防衛部門および関連する個人(ロシアへの軍備供給に関与した個人を含む)、司法関係者、地方政治家、ウクライナ児童の違法追放・軍事的再教育の責任者が対象となっているという。
今回の決定により、ウクライナの領土一体性、主権、独立を損なう、あるいは脅かす行為に関連したEUの制限措置の対象は、合計で2000を超える個人・法人に適用されることになったと書かれている。
同リストに掲載された者は、資産凍結の対象となり、EU市民や企業は、これら対象者への資金提供が禁止される。個人は、さらに渡航禁止の対象となり、EUへの入域や、トランジットができなくなる。
さらに、ロシアの軍事産業複合体も直接支援する27の主体もまたリストに加えられた。
発表には、「これら(企業)は、デュアルユース品・技術の厳しい輸出制限対象となるだけでなく、ロシアの防衛・安全保障部門の技術的補完を促進し得る物品・技術も対象となる。これら企業の中には、第三国(インド、スリランカ、中国、セルビア、カザフスタン、タイ、トルコ)に位置しており、貿易制限の迂回に加わっているものもあるし、ロシアの軍事産業複合体のための電子部品の開発、生産、供給に携わるロシア企業もある」と書かれている。
加えて、今回の決定では、無人機開発・生産のための部品を追加することで、ロシアの防衛・安全保障部門の技術的補完を促進し得る製品のロシアへの輸出禁止品目リストも拡大された。EUはまた、ロシアの産業潜在力の拡大を促すような製品の輸出も禁止した。
これに先立ち、EU加盟国常駐代表は21日、ロシアのウクライナ全面侵略に関連する第13回対露制裁につき原則的に合意していた。