ウクライナはクルスク州の制圧を目的にしておらず、自国領の人々を守りたいと考えている=宇外務省
ティーヒー報道官が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ティーヒー氏は、シルシキー宇軍総司令官が最高司令官会議にて、ウクライナ軍は約1000平方キロメートルのロシア領をコントロールしていると報告したと発言した。
そして同氏は、「私が強調したいことは、ロシアとは異なり、ウクライナには他者の物は不要だということだ。ウクライナはクルスク州の領土を奪うことには関心がないが、しかし、私たちは自分の人々の命は守りたいと思っている」と発言した。
また同氏は、今年の夏から露クルスク州からウクライナ領スーミ州の諸地区に対して2000回以上の攻撃が行われたとし、その攻撃は「多連装ロケットシステムや、榴弾砲や、無人機や、250弾の誘導航空爆弾や、100弾以上のミサイルによるものだ」と説明した。
その上で同氏は、「残念ながら、ウクライナにはそのテロから自衛する上で、現存の武器で長距離攻撃を行うだけの十分な機会がない。今のところ私たちが主張している関連の決定はない。そのため、軍を使って、ウクライナを攻撃する、あるいはウクライナ人に対するテロを行うロシア軍部隊からそれらの国境隣接地区を解放する必要が生じている。私たちは、クルスク州で当該目的を達成している。ウクライナの安全と防衛のために必要な範囲で、私たちはそのように行動し続ける」と発言した。
その他同氏は、ウクライナ軍のクルスク州での軍事作戦は、前線を支援するものであり、ロシアがドネツィク州に追加部隊を投入することを防ぎ、ロシアの軍事兵站を困難にもしていると強調した。
さらに同氏は、「ウクライナ軍は、文明的な欧州の軍隊であり、完全に戦時法と国際人道法を遵守していることを別途指摘する。ウクライナ防衛戦力の目的は、軍事力と軍事部隊だけである。この作戦の目的は、ロシアの攻撃から私たちの人々の命とウクライナ領を守ることである」と指摘した。
また同氏は、ロシアはこの戦争をウクライナ領に持ち込んだのであり、その戦争がロシア領に戻ることは完全に公正だとするゼレンシキー宇大統領の発言を喚起した。
その上で同氏は、「ロシアが公正な平和の回復、具体的にはそれへと導く『平和の公式』に基づいた平和、に同意するのが早ければ早いほど、ロシア領におけるウクライナ防衛戦力の襲撃が止まるのも早くなるのだ。ただし、プーチンがこの戦争を続ける限り、彼はウクライナから、ウクライナが必要とする返答を受け取ることになる。それは、とりわけ、国連憲章に従った自衛権の行使の範囲内である、ウクライナの完全に合法的な行動である」と強調した。
その他同氏は、ロシアはウクライナの国際法違反をプロパガンダに使いたがっていたが、同国はすでに、ウクライナ防衛戦力が国際人道法に違反することなく作戦を遂行していることを非常に懸念しているという情報があると指摘した。そして同氏は、だからこそ、ロシア軍人がウクライナ軍人の軍服を着るなどして、類似の事件を捏造しようとするかもしれないという疑念・懸念には根拠があると発言した。
同氏は、「私たちは、パートナーたちに対して、ロシアから類似の試みが行われる場合のそのような情勢展開に対して準備しておくよう、注意を維持して、ロシアのプロパガンダの罠にはまらないように積極的に警告している」と伝えた。
これに先立ち、12日、シルシキー宇軍総司令官は、現在ウクライナ軍はロシア領を約1000平方キロメートルコントロールしていると発言していた。
6日、ロシア発のテレグラム・チャンネルは、ロシア領内の国境周辺で戦闘が起きているとし、ウクライナ軍がクルスク州に「侵入した」と主張していた。